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ホテルの電気代削減|快適性を落とさず基本料金から下げる方法

2026/08/05
記事

「LEDには替えた。空調の設定温度も見直した。それでも請求書の金額が下がらない」——宿泊施設のご担当者から、よくうかがう話です。

宿泊施設の電気代が下がりにくいのには、はっきりした理由があります。ひとつは、客室の快適性を犠牲にする節電が事実上できないこと。もうひとつは、電気料金のうち基本料金と呼ばれる部分が、日々の節電とは別の理屈で決まっているためです。

この記事では、宿泊施設の電気代の構造を整理したうえで、快適性を落とさずに削れる部分がどこにあるのかを、費用や導入手順まで含めて解説します。年間の電気料金が2,000万円を超えるような規模の施設を想定した内容です。

宿泊施設の電気代は、なぜ削りにくいのか

空調と照明で、使用量の半分近くを占める

宿泊施設の電力使用量は、一般に夏季で空調が約3割、照明が約2割を占めるとされています。冬季は空調の比率がやや下がり、照明の比率が上がる傾向です。残りを厨房機器、給湯、エレベーター、客室内のコンセント設備などが分け合っています。

使用量の半分近くが空調と照明に集中しているため、省エネの話は「LED化」と「設定温度の見直し」に偏りがちです。

ただし、この2つには限界があります。照明は一度LEDに替えてしまえば、それ以上の削減余地はほとんど残りません。そして空調の設定温度は、宿泊施設ではそもそも動かしにくい数値です。

「暑い」「寒い」が、そのまま評価に返ってくる

オフィスであれば、夏の設定温度を1℃上げる運用も成立します。一般に空調は設定温度を1℃調整するだけで消費電力が約1割変わるとされ、効果は小さくありません。

しかし宿泊施設では、客室の温度は商品そのものです。到着したお客様が「部屋が暑い」と感じれば、それは口コミとして残り、稼働率に跳ね返ります。宴会場やレストランも同様です。快適性を削って電気代を下げる方法は、宿泊施設では選びにくい——これが前提になります。

光熱費は、人件費に次ぐ固定費

それでも手を打つ必要があるのは、金額の大きさゆえです。宿泊業の水道光熱費は、一般に売上高の5〜10%程度を占めるとされ、人件費に次ぐ規模の固定費とされています。100室規模の施設では、電気代だけで年間数千万円という水準になることも珍しくないとされています。

見落とされがちな「基本料金」という土俵

高圧電力で受電している施設(契約電力50kW以上)の電気料金は、大きく基本料金電力量料金に分かれます。

こまめな消灯や機器の停止といった節電が反映されるのは、主に電力量料金のほうです。一方で基本料金は、次の式で決まります。

  • 基本料金 = 基本料金単価 × 契約電力 × 力率による割引・割増

ここで鍵になるのが契約電力です。高圧受電の契約電力は多くの場合実量制で決まります。30分ごとに計測される平均使用電力(デマンド値)のうち、直近1年間で最も大きかった値が、そのまま契約電力になる仕組みです。

1年でいちばん忙しかった30分が、12か月分を決める

この仕組みの厳しいところは、一度立ったピークが1年間ついて回る点にあります。満室で、宴会が入り、厨房が全力で回り、館内の空調が一斉に効いている——そんな日の、たった30分。その値がその後12か月の基本料金の基準になり続けます。

裏を返せば、その山の頂上を削れれば、効果は12か月にわたって効き続けます。削るのは1年のうちごく限られた瞬間だけです。

宿泊施設のピークは、夕方から夜に立ちやすい

オフィスや工場のピークが日中に来るのに対し、宿泊施設の需要は1日の後半に寄る傾向があります。チェックインが集中し、客室の空調が次々と立ち上がり、レストランの厨房が動き、館内照明が点灯する時間帯が重なるためです。朝食時間帯にもう一つ山ができる施設もあります。

この「同時に立ち上がる」構造こそが、ピークを押し上げる正体です。

お使いの施設で、いくら下がるか無料で試算します
電気料金の明細をご用意いただければ、年間の削減見込み額とCO2削減量を算出してご提示します。ご相談だけでも歓迎です。

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快適性を落とさずに、山の頂上だけを削る

ピークが「タイミングの重なり」で生まれているなら、対策も設定温度ではなくタイミング側に打つのが筋になります。

当社が提供する専用システムは、施設全体の電力を常時監視し、ピークが立ち上がりそうになった瞬間だけ、空調の運転をごく短時間・小刻みに調整します。空調機を止めるのではなく、複数台の運転が同時に重ならないよう順番をずらしていくイメージです。室温そのものはほとんど変わらないため、客室でもレストランでも、お客様が体感する快適性を維持したまま電力の山だけをならすことができます。

この制御方式は特許を取得しており、稼働実績は20年以上、これまで約3,500社・12,000施設に導入されています。

施策の優先順位を整理すると

  • 電力会社の切り替え:単価は下がりますが、契約電力は施設側の使い方で決まるため動きません。
  • LED化・高効率機器への更新:使用量に効きます。ただし設備投資が先に出るうえ、一度実施すると次の余地が乏しくなります。
  • 運用改善(フィルター清掃、不要照明の消灯など):費用をかけずにできる点で価値がありますが、人手に依存するため効果が安定しにくい面があります。
  • ピーク(デマンド)の抑制:基本料金に効きます。快適性を落とさずに実施でき、効果が12か月続きます。

すでに前の3つに手をつけている施設ほど、残っているのは4つ目、というのが実情です。

費用と、規模別の削減目安

費用面では、一般に、自動制御まで行うシステムで30万円〜150万円程度が目安として示されることが多いようです。ただしこれは、装置を購入する前提での金額です。

当社の場合、この専用システムは初期費用0円で導入できます。削減できた電気料金の範囲内で費用をお支払いいただく形のため、先行投資が発生せず、稟議で「回収まで何年かかるのか」を計算する必要そのものがなくなります。

施設規模ごとの削減額の目安は次のとおりです。

施設 年間電気料金 削減額の目安 CO2削減量
介護施設・小規模病院 1,200万円前後 年 70〜120万円 約15〜25t
オフィスビル・市役所 2,000〜3,000万円 年 150〜300万円 約30〜60t
総合病院・ホテル 3,000〜5,000万円 年 250〜450万円 約50〜90t
工場・大型商業施設 5,000万円以上 年 400〜720万円 約80〜150t

削減できた電力量は、CO2排出量の削減としても換算できます。年間数十トン規模の数値になりますので、省エネ法の報告や、宿泊予約サイト・法人契約先から求められる環境への取り組みの説明にも、そのまま使える形でご提示しています。

導入前に確認しておきたいこと

宿泊施設には、他の業種にはない事情があります。契約前に確認しておくとよい点を挙げます。

  • 休館せずに工事できるか:宿泊施設は基本的に休館日がありません。受変電設備に関わる作業で短時間の停電が必要になる場合、閑散期・低稼働日の深夜帯に組めるか、どの範囲が停電するかを、契約前に工程として出してもらってください。
  • 誰が施工するのか:電気設備に手を入れる工事です。電気工事士の資格を持つスタッフが施工まで一貫して担当するのかを確認してください。当社は外部委託せず、自社スタッフが施工まで責任を持ちます。
  • 客室の快適性への影響:ピーク抑制の方式によっては、体感に影響が出るものもあります。どの機器を、どの程度、どのくらいの時間調整するのかを説明してもらってください。
  • 費用の負担の仕方:先行投資が必要か、削減できた範囲から支払う形かで、稟議の通しやすさが変わります。
  • 削減額の根拠:概算ではなく、実際の電気料金明細とデマンド推移にもとづいた試算を出してもらえるかを確認してください。

まとめ

宿泊施設の電気代は、空調と照明で使用量の半分近くを占めます。しかし客室の快適性は商品そのものであり、設定温度を我慢する形の節電には限界があります。

そこで見るべきなのが基本料金です。高圧受電の契約電力は、過去1年で最も高かった30分のデマンド値で決まります。宿泊施設はチェックイン・厨房・空調が重なる夕方から夜にピークが立ちやすく、その一瞬を抑えられれば効果が12か月続きます。

まずは電気料金明細を手元に、契約電力がいくらになっているかを確認するところから始めてみてください。当社では、明細をもとに年間の削減見込み額とCO2削減量を無料で試算します。判断材料として、お気軽にご相談ください。

この記事を書いた人
株式会社Media Japan エネルギーソリューション担当
電気工事士資格を保有し、大規模施設への省エネシステムの導入から施工までを担当しています。記載の削減実績・目安額は、当社が実際に導入した施設のデータにもとづいています。個別の施設における削減額は、電気料金明細をもとに無料で試算いたします。
株式会社Media Japan/東京都豊島区東池袋1-25-6 PMO池袋2階
TEL 03-5985-5056 MAIL info@mediaj.jp
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