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介護施設の電気代を削減する方法|室温を下げずに年間コストを抑える

2026/08/06
記事

介護施設の電気料金の請求書を見て、去年の同じ月より大きく増えていることに気づいた。そんな状況で、この記事にたどり着いた方が多いのではないでしょうか。

介護施設の節電を調べると、「冷房は28℃に」「使っていない照明はこまめに消す」といった助言が並びます。ただ、入居者の体調を預かる現場でそれをそのまま実行するのは難しいはずです。夏場に室温を上げれば熱中症のリスクが上がり、夜間の照明を落とせば転倒事故につながります。

この記事では、室温やサービスの質を落とさないまま電気料金を下げるために、どこを見るべきかを整理します。年間の電気料金が2,000万円以上(月およそ170万円以上)の規模を想定していますが、考え方は施設の大きさを問わず同じです。

介護施設の電気代が下がりにくい三つの理由

空調と給湯で使用量の大半が決まる

介護施設の電力使用量は、空調と給湯に大きく偏ります。一般に、空調が全体の40〜50%、給湯が20〜30%、照明とその他で残りの2割程度とされています。特別養護老人ホームの電気代は、入居者1人あたり月10,000〜15,000円程度が一般的な水準とされており、50床規模なら月50万円前後になります。

この内訳が意味するのは、照明をすべてLEDに替えても動かせるのは全体の2割の一部にすぎない、ということです。削減の主戦場は空調と給湯にあります。

設定温度を我慢する節電が使えない

設定温度を上げ下げする方法は、居室の温度が入居者の健康に直結する施設では実行が難しくなります。24時間365日、空調も給湯も止められない。これが介護施設の前提条件です。運用でしのぐのではなく、同じ室温を保ったまま電気の使い方を変える方法を探す必要があります。

単価の見直しだけでは基本料金が動かない

電力会社や料金プランの見直しは、有効な手段のひとつです。ただしそこで動くのは主に電力量料金の単価であり、請求額のもう一方の柱である基本料金は、単価を変えても使用量を少し減らしても、原則として下がりません。基本料金は「契約電力」という別の数値で決まっているからです。

基本料金を決めている「契約電力」の仕組み

高圧受電(契約電力50kW以上)の施設では、契約電力は申告制ではなく実績で決まります。30分ごとの平均使用電力(デマンド値)を計測し、直近12か月のうち最も高かった値が、そのまま向こう1年の契約電力になる仕組みです。

ここが見落とされやすい点です。1年のうちたった30分、真夏の午後に空調と給湯と厨房の負荷が重なっただけで、その瞬間の値が12か月ぶん基本料金に乗り続けます。年間のほかの時間帯をどれだけ丁寧に節電しても、この一点が下がらなければ基本料金は動きません。

逆に言えば、ピークになる30分をいくつか削るだけで、基本料金は年間を通して下がります。使う量を我慢するのではなく、使う時刻をずらす。この考え方が介護施設に向いているのは、室温も湯温もサービスの質も落とさずに実行できる余地があるからです。

室温を保ったままピークを抑える仕組み

ピークを抑える制御は、空調を止めることではありません。専用システムが施設全体の使用電力を常時計測し、30分の平均値が目標を超えそうになったときだけ、複数ある空調室外機の圧縮機を数分ずつ順番に休ませます。

1台あたりの停止は短時間で、しかも同時に休ませるのは一部だけです。送風は続いており、居室の温度は数分では動きません。給湯も同様に、湯温を保てる範囲で加熱のタイミングを分散させます。職員が操作する必要はなく、設定した目標値に沿ってシステムが自動で判断します。

当社が扱う制御方式は特許を取得しており、稼働実績は20年以上、これまでに約3,500社・12,000施設で稼働しています。

お使いの施設で、いくら下がるか無料で試算します
電気料金の明細をご用意いただければ、年間の削減見込み額とCO2削減量を算出してご提示します。ご相談だけでも歓迎です。

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施設規模別の削減目安

どれくらい下がるのかは、年間の電気料金の規模からおおよその見当がつきます。当社がこれまでに導入した施設の実績にもとづく目安は次のとおりです。

施設 年間電気料金 削減額の目安 CO2削減量
介護施設・小規模病院 1,200万円前後 年 70〜120万円 約15〜25t
オフィスビル・市役所 2,000〜3,000万円 年 150〜300万円 約30〜60t
総合病院・ホテル 3,000〜5,000万円 年 250〜450万円 約50〜90t
工場・大型商業施設 5,000万円以上 年 400〜720万円 約80〜150t

単独の介護施設は1,200万円前後の行に当てはまることが多く、この場合の削減額は年70〜120万円が目安です。医療法人や社会福祉法人が病棟や複合施設を併設している場合は、ひとつ上の行の水準になることもあります。削減額は設備の構成と負荷の出方によって変わるため、実際の数字は電気料金明細から個別に試算します。

導入前に確認しておきたい四つのこと

省エネの提案を受けたときは、見積書の金額より先に次の四点を確認しておくと判断を誤りにくくなります。

  • 誰が工事をするのか:受変電設備まわりの工事には電気工事士の資格が必要です。提案した会社が自社スタッフで施工するのか、外部に委託するのかを確認してください。当社は資格を持つ自社スタッフが施工します。
  • 初期費用の負担のしかた:設備投資として一括で支払う方式のほかに、初期費用0円で導入し、削減できた電気料金の範囲内から支払う方式もあります。予算措置が取りにくい年度でも動けるかどうかが変わります。
  • CO2削減量が数値で出るか:社会福祉法人の事業報告や自治体への報告で、削減量の記載を求められる場面が増えています。電気代の削減額だけでなく、CO2削減量まで数値で報告してもらえるかを確認してください。
  • 工事中に止まる設備と時間:入居者がいる建物での工事になります。停電を伴う作業の有無、その時間帯と所要時間、夜間や休館日に対応できるかを事前に詰めておく必要があります。

まとめ

介護施設の電気代は、空調と給湯で大半が決まります。設定温度を我慢する節電は現場では使いにくく、電力会社の見直しだけでは基本料金に手が届きません。

残る打ち手が、基本料金の根拠になっている契約電力を下げることです。30分単位のピークだけを狙って制御すれば、室温や湯温を保ったまま年間の請求額を圧縮できる可能性があります。まずは自施設の電気料金明細で、基本料金と電力量料金がそれぞれいくらなのかを確認するところから始めてください。

この記事を書いた人
株式会社Media Japan エネルギーソリューション担当
電気工事士資格を保有し、大規模施設への省エネシステムの導入から施工までを担当しています。記載の削減実績・目安額は、当社が実際に導入した施設のデータにもとづいています。個別の施設における削減額は、電気料金明細をもとに無料で試算いたします。
株式会社Media Japan/東京都豊島区東池袋1-25-6 PMO池袋2階
TEL 03-5985-5056 MAIL info@mediaj.jp
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