「見えない」を支える

「見えない」を支える

株式会社Media Japan

「見えない」を支える

空調の自動制御で省エネ|快適性を保ったまま電気代を抑える方法

2026/08/09
記事

空調の自動制御を調べ始めると、VAVやCAV、デマンドコントローラーなど聞き慣れない言葉が次々に出てきて、結局どれが自施設に合うのか判断がつかない。そんな状態でこの記事にたどり着いた方が多いのではないでしょうか。

空調の自動制御について調べると、制御方式の分類やメリット・デメリットの説明が中心のページが多く見つかります。ただし、大規模施設の担当者が本当に知りたいのは「その制御で電気料金の何が動くのか」という一点のはずです。

この記事では、空調の自動制御のなかでも、電気料金の基本料金を実際に動かす「デマンド値の管理」に絞って仕組みを整理します。年間の電気料金が2,000万円以上(月およそ170万円以上)の規模を想定していますが、高圧受電(契約電力50kW以上)の施設であれば考え方は共通です。

空調の自動制御で、まず整理しておきたいこと

制御方式の違いより、何を目的にするかが先

空調の自動制御には、送風量を細かく調整する方式や、室温センサーと連動する方式など、複数の考え方があります。ただし方式の違いを比較する前に、その制御が「快適性を保つための微調整」なのか「電気料金の基本料金を動かすための制御」なのかを分けて考える必要があります。両者は目的が異なるため、比較の土台が違います。

基本料金を動かすのは、デマンド値の管理

高圧受電の電気料金は「基本料金」と「電力量料金」で構成されており、電力会社やプランの見直しで動くのは主に電力量料金の単価です。基本料金は「契約電力」という別の数値で決まっており、これを動かすには、空調の細かい温度調整ではなく、デマンド値(30分ごとの平均使用電力)そのものを管理する制御が必要になります。

すでにタイマーやスケジュール運転で空調を自動化している施設も多いはずです。ただしそれは決まった時刻に運転を切り替える仕組みであり、そのときどきの使用電力の実績値を見ているわけではありません。デマンド値を管理する制御とは、監視している対象そのものが違います。

契約電力を決めている「デマンド値」の仕組み

契約電力は申告制ではなく、実績で決まります。30分ごとの平均使用電力(デマンド値)を計測し、直近12か月のうち最も高かった値が、そのまま向こう1年の契約電力になる仕組みです。空調の稼働と他の設備の負荷が重なる瞬間に、この値は押し上げられます。

年間のほかの時間帯をどれだけ丁寧に節電しても、この一点が下がらなければ基本料金は動きません。逆に言えば、ピークになる30分をいくつか削れば、基本料金が年間を通して下がることが見込めます。空調の自動制御を「基本料金対策」として位置づけるなら、狙うべきはここです。

室温を保ったままピークを抑える制御の粒度

デマンド値を管理する制御は、空調を止めることではありません。専用システムが施設全体の使用電力を常時計測し、30分の平均値が目標を超えそうになったときだけ、複数ある空調室外機の圧縮機を数分ずつ順番に休ませます。

1台あたりの停止は短時間で、しかも同時に休ませるのは一部だけです。送風は続いており、室温は数分では動きません。職員が操作する必要はなく、設定した目標値に沿ってシステムが自動で判断します。この「止める範囲の細かさ」こそが、快適性を保ったまま基本料金を動かせるかどうかを分ける部分です。

契約電力(=基本料金の根拠) 空調と他設備が重なる30分が、基本料金を決める 0時 6時 12時 18時 24時 使用電力 ※ 30分ごとの平均使用電力(デマンド値)のイメージです

図1:契約電力は申告制ではなく、直近12か月で最も高かった30分の平均使用電力で決まります。

当社が扱う制御方式は特許を取得しており、稼働実績は20年以上、これまでに約3,500社・12,000施設で稼働しています。

お使いの施設で、いくら下がるか無料で試算します
電気料金の明細をご用意いただければ、年間の削減見込み額とCO2削減量を算出してご提示します。ご相談だけでも歓迎です。

サービスの詳細を見る →

施設規模別の削減目安

どれくらい下がるのかは、年間の電気料金の規模からおおよその見当がつきます。当社がこれまでに導入した施設の実績にもとづく目安は次のとおりです。

施設 年間電気料金 削減額の目安 CO2削減量
介護施設・小規模病院 1,200万円前後 年 70〜120万円 約15〜25t
オフィスビル・市役所 2,000〜3,000万円 年 150〜300万円 約30〜60t
総合病院・ホテル 3,000〜5,000万円 年 250〜450万円 約50〜90t
工場・大型商業施設 5,000万円以上 年 400〜720万円 約80〜150t

実際の削減額は、設備の構成とデマンド値の出方によって変わるため、正確な数字は電気料金明細から個別に試算します。

STEP 1 電気料金明細 の確認 STEP 2 現地調査と 削減額の試算 STEP 3 有資格者に よる施工 STEP 4 削減額とCO2 削減量の報告 ※ 初期費用0円のスキームでは、STEP 3までの費用負担が発生しません

図2:導入までの流れ。試算は電気料金明細をお預かりした段階で提示します。

導入前に確認しておきたい四つのこと

空調の自動制御を検討するときは、見積書の金額より先に次の四点を確認しておくと判断を誤りにくくなります。

  • 制御の目的が快適性の微調整か、基本料金対策かを確認する:同じ「自動制御」でも、目的によって効果の出方がまったく違います。基本料金を動かしたいなら、デマンド値を管理する仕組みかどうかを明確に確認してください。
  • 誰が工事をするのか:受変電設備まわりの工事には電気工事士の資格が必要です。提案した会社が自社スタッフで施工するのか、外部に委託するのかを確認してください。当社は資格を持つ自社スタッフが施工します。
  • 初期費用の負担のしかた:設備投資として一括で支払う方式のほかに、初期費用0円で導入し、削減できた電気料金の範囲内から支払う方式もあります。予算措置が取りにくい年度でも動けるかどうかが変わります。
  • CO2削減量が数値で出るか:脱炭素目標の報告や取引先からの開示要請で、削減量の記載を求められる場面が増えています。電気代の削減額だけでなく、CO2削減量まで数値で報告してもらえるかを確認してください。
導入前 導入後 この分が下がる 基本料金(契約電力で決まる) 電力量料金 ※ 削減幅は施設の設備構成と負荷の出方によって異なります

図3:ピークを抑えて契約電力が下がると、快適性を保ったまま基本料金が下がります。

まとめ

空調の自動制御は、方式の分類を比較するだけでは電気料金への効果が見えません。基本料金を実際に動かせるかどうかは、デマンド値、つまり30分ごとの使用電力のピークを管理できているかどうかで決まります。

まずは自施設の電気料金明細で、基本料金と電力量料金がそれぞれいくらなのか、そして契約電力が何kWになっているのかを確認するところから始めてください。

この記事を書いた人
株式会社Media Japan エネルギーソリューション担当
電気工事士資格を保有し、大規模施設への省エネシステムの導入から施工までを担当しています。記載の削減実績・目安額は、当社が実際に導入した施設のデータにもとづいています。個別の施設における削減額は、電気料金明細をもとに無料で試算いたします。
株式会社Media Japan/東京都豊島区東池袋1-25-6 PMO池袋2階
TEL 03-5985-5056 MAIL info@mediaj.jp
あわせて読みたい

高圧電力の電気代とCO2排出量を、同時に下げる|大規模施設向けサービス