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物流倉庫の電気代を下げる|24時間稼働とマテハン機器が生むピークの外し方

2026/08/17
記事

物流倉庫の管理者から「照明をLEDに替えて、空調も効率のよい機種に更新したのに、電気代がそれほど下がった実感がない」という相談をよくいただきます。多くの節電情報が紹介しているのは、設備を個別に省エネ性能の高いものへ交換する対策です。これは電力量料金(使った分だけかかる料金)を下げる効果はありますが、電気料金のもう一つの柱である基本料金には、ほとんど効きません。

物流倉庫は、24時間稼働・シフト制の作業・フォークリフトや自動搬送機の一斉稼働・冷凍冷蔵設備の温度維持など、他の業種にはない負荷の重なり方をします。この記事では、なぜ物流倉庫の電気代が個別の設備対策だけでは下がりにくいのか、その構造的な理由と、契約前後で確認しておきたい実務的なポイントを解説します。

基本料金を左右するのは、使った電力の合計ではなく「30分の山」

電気料金の基本料金は、1年間で使った電力の合計ではなく、直近12か月のうち最も電力を使った30分間の実績(契約電力)で決まります。物流倉庫では、始業直後の一斉稼働や繁忙期の仕分け作業が重なる瞬間に、この30分の山ができやすいという特徴があります。

契約電力は、直近12か月で最も高かった30分の実績で決まる

高圧電力で受電している施設の多くは、30分ごとの平均使用電力(デマンド値)を計測する仕組みで契約電力が決まります。一度でも高いデマンド値を記録すると、その水準が基本料金の根拠として一定期間固定されるため、「普段は使っていない」という感覚と、実際の請求額が一致しないことがよく起こります。照明や空調を個別に省エネ化しても、この山そのものを削らない限り、基本料金は下がりません。

契約電力(=基本料金の根拠) この30分の山が、1年間の基本料金を決める 0時 6時 12時 18時 24時 使用電力 ※ 30分ごとの平均使用電力(デマンド値)のイメージです

図1:契約電力は申告制ではなく、直近12か月で最も高かった30分の平均使用電力で決まります。

マテハン機器と冷凍冷蔵設備が、ピークを押し上げる3つの理由

物流倉庫の電力ピークは、始業直後の一斉稼働・冷凍冷蔵設備の温度維持・自動化設備の同時起動という3つの要因が重なって生まれます。個別の設備を見ているだけでは、この重なりに気づきにくくなります。

  • 始業直後の一斉稼働:フォークリフトの充電、コンベアの起動、入出庫作業の開始が同じ時間帯に集中しやすく、短時間に電力需要が跳ね上がります。
  • 冷凍冷蔵設備の温度維持:庫内温度を一定に保つための冷凍機は、外気温が上がる時間帯や庫内の入出庫でドアの開閉が増える時間帯に稼働率が上がり、他の設備の稼働と重なりやすくなります。
  • 自動倉庫・仕分けシステムの同時起動:処理能力を確保するため、複数の搬送・仕分け設備が同時に立ち上がる設計になっていることが多く、これも短時間の電力需要を押し上げる要因になります。

これらは個別にはどれも必要な稼働であり、止めることはできません。重要なのは、稼働そのものを減らすのではなく、稼働のタイミングをずらしたり、電力需要が跳ね上がる瞬間だけを検知して自動的に抑制したりすることです。

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電気料金の明細をご用意いただければ、年間の削減見込み額とCO2削減量を算出してご提示します。ご相談だけでも歓迎です。

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繁忙期の一瞬のピークが、1年間の基本料金を決めてしまう

年末年始やEC需要期など、一時的な繁忙期に記録した30分の実績も、通常期と同じように1年間の契約電力として扱われます。「繁忙期だけの一時的な稼働だから」という感覚は、電気料金の計算には反映されません。

この落とし穴は、物流倉庫にとって特に重要です。繁忙期は入出庫量が増えるだけでなく、応援人員の稼働に合わせて照明・空調・マテハン機器がふだんより長い時間帯で同時稼働します。そこで記録された30分の山が、閑散期を含めた1年間全体の基本料金の根拠になってしまうため、「繁忙期はしかたがない」と見過ごすと、1年を通じて割高な基本料金を払い続けることになります。

導入前 導入後 この分が下がる 基本料金(契約電力で決まる) 電力量料金 ※ 削減幅は施設の設備構成と負荷の出方によって異なります

図2:繁忙期のピークを抑えて契約電力が下がると、通常期の使用量を我慢しなくても基本料金が下がります。

実際の削減額は施設の規模によって幅がありますが、年間の電気代削減実績としては年70万円〜720万円という範囲になることが多く、物流センターのように延床面積が広く24時間稼働する施設ほど、削減できる余地も大きくなる傾向があります。あわせて、年間で数十トン規模のCO2排出量の削減にもつながります。

導入前に確認しておきたいこと

物流倉庫でピークカットの導入を検討する際は、次の点を事前に確認しておくことをおすすめします。

  • 庫内温度を落とさずに制御できるか:冷凍冷蔵設備は、温度管理そのものを緩めてしまうと商品の品質に関わります。稼働のタイミングを分散させる制御であり、設定温度を犠牲にしないかを確認してください。
  • 稼働を止めずに施工できるか:物流倉庫は稼働率が高く、長時間の停止が難しい施設です。多くの工事は稼働を止めずに進められますが、受変電設備の切り替えなど一部の作業は停電を伴う場合があるため、現地調査の段階で影響する作業の有無を確認できます。
  • 誰が施工するのか:電気工事士資格を持つスタッフが自社で施工するのか、外部に委託するのかによって、工事後の対応の速さが変わってきます。
  • 費用負担がいつ発生するか:初期費用0円のスキームでは、削減できた電気料金の範囲内で支払う形になるため、契約前にまとまった出費が発生しません。稟議を通す前に、費用負担の発生タイミングを確認しておくと検討が進めやすくなります。
STEP 1 電気料金明細 の確認 STEP 2 現地調査と 削減額の試算 STEP 3 有資格者に よる施工 STEP 4 削減額とCO2 削減量の報告 ※ 初期費用0円のスキームでは、STEP 3までの費用負担が発生しません

図3:導入までの流れ。試算は電気料金明細をお預かりした段階で提示します。

よくある質問

冷凍冷蔵設備がある倉庫でも、庫内温度を落とさずに削減できますか?

設定温度を緩めるのではなく、複数設備の稼働タイミングが重なる瞬間を抑える制御のため、庫内温度を維持したまま基本料金の削減を目指せます。現地調査の段階で、庫内の設備構成を踏まえた試算を提示します。

繁忙期だけ一時的に契約電力の上限が変わることはありますか?

契約電力は直近12か月の実績で決まる仕組みのため、繁忙期に記録した高い数値が一定期間そのまま基本料金の根拠として残ります。だからこそ、繁忙期のピークを事前に抑える対策に意味があります。

24時間稼働の倉庫でも、稼働を止めずに施工できますか?

多くの工事は稼働を止めずに進められますが、受変電設備の切り替えなど一部の作業は停電を伴う場合があります。現地調査の段階で、稼働への影響がある作業の有無を確認いただけます。

マテハン機器の増設を予定している場合、先に相談したほうがよいですか?

増設によって新たな電力需要が加わると、ピークの出方が変わることがあります。増設計画がある場合は、現状の試算とあわせて事前にご相談いただくと、増設後も見据えた対策を検討しやすくなります。

まとめ

物流倉庫の電気代は、照明や空調を個別に省エネ化するだけでは下がりにくく、その理由は基本料金が「1年間で最も電力を使った30分」の実績で決まる仕組みにあります。24時間稼働・マテハン機器の一斉稼働・冷凍冷蔵設備の温度維持という物流倉庫特有の負荷の重なりが、この30分の山を作り出しています。特に繁忙期の一瞬のピークが1年間の基本料金を左右してしまう点は見過ごされがちですが、事前に対策しておくことで、庫内温度や稼働そのものを犠牲にせずに基本料金を抑えられる余地があります。まずは電気料金の明細をもとに、どの程度の削減余地があるかを確認することから始めてみてください。

この記事を書いた人
株式会社Media Japan エネルギーソリューション担当
電気工事士資格を保有し、大規模施設への省エネシステムの導入から施工までを担当しています。記載の削減実績・目安額は、当社が実際に導入した施設のデータにもとづいています。個別の施設における削減額は、電気料金明細をもとに無料で試算いたします。
株式会社Media Japan/東京都豊島区東池袋1-25-6 PMO池袋2階
TEL 03-5985-5056 MAIL info@mediaj.jp
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