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省エネコンサルの選び方|提案書で確かめる5つの論点

2026/08/29
記事

省エネや電気代削減の相談先を探し始めると、同じ「省エネコンサルティング」という看板の下に、性格のまったく違う会社が並んでいることに気づきます。設備メーカーの提案部門、電力の小売事業者、補助金の申請を代行する事務所、施工まで自社で行う省エネ事業者。どれも省エネの相談先ですが、出てくる提案の中身は同じになりません。

年間の電気料金が2,000万円を超える規模の施設では、この選択が毎年の支出に長く効いてきます。ところが選定の基準は「実績を確認する」「自社のニーズに合う相手を選ぶ」といった原則にとどまりやすく、実際に提案書を前にしたときの見方までは、なかなか具体化されません。

相談先の成り立ちで、提案の中心になる打ち手が決まる

省エネの相談先は、その会社が何で収益を得ているかによって、提案の中心になる打ち手がおおよそ決まります。選定は、検討している相手がどの成り立ちなのかを見分けるところから始めると早くなります。

大きく分けると4つです。設備メーカーの提案部門は、自社が製造する空調機や照明、変圧器といった機器の更新を軸に組み立てます。機器の性能データが手元にあるため、更新後の消費電力の見込みは精度が高くなります。電力の小売事業者は、電力量料金や基本料金の単価そのものを扱います。契約の切り替えで動くのは単価であり、使い方や設備には手が入りません。申請・計算の代行を専門とする事務所は、補助金の公募要領や省エネ法の報告書といった書類の側から支援します。施工まで自社で行う省エネ事業者は、制御装置の設置や配線の改修まで含めて、運用側の打ち手を扱います。

相談先の成り立ち 機器の更新 運用と制御 契約と単価 書類と申請 設備メーカーの提案部門 電力の小売事業者 申請・計算の代行事務所 施工まで自社で行う事業者 提案の中心になりやすい あわせて扱うことがある

図1:同じ「省エネの相談先」でも、収益の源が違えば提案の中心も変わります。

どれが優れているという話ではなく、施設が必要としている打ち手と、相談先が得意とする領域が噛み合っているかを見る、という話です。基本料金が高止まりしている施設に機器の更新だけを重ねても請求額は動きにくく、設備の老朽化が進んだ施設に制御だけを載せても限界があります。先に自施設の伸びしろを掴んでから相談先を選ぶと、噛み合わせの精度が上がります。

費用の受け取り方は3つに分かれ、負担する側が変わる

省エネ支援の費用の受け取り方は、固定報酬型・成果報酬型・削減分から支払う型の3つに大別され、効果が想定に届かなかったときに誰が負担するかがそれぞれ違います。提案書の金額欄より先に、この型を確かめてください。

固定報酬型

調査・診断・設計に対して、あらかじめ決めた額を支払う形です。削減の結果にかかわらず費用が発生するため、負担するのは施設側になります。費用は施設の規模と対応範囲で幅が大きく、一律の相場が示しにくい分野です。診断書を受け取ったうえで、施工は別途発注する進め方になることが多い形式です。

成果報酬型

削減できた金額の一定割合を支払う形です。効果が出なければ支払いも小さくなるため、負担は事業者側に寄ります。この型でもっとも重要なのは、何をもって「削減できた」と数えるかという基準(ベースライン)の定め方です。前年同月比なのか、直近12か月の平均なのか、気温や稼働率の変動を補正するのか。ここが曖昧なままだと、猛暑で使用量が増えた年に「削減されていない」と判定されたり、逆に稼働が落ちただけの月が成果として計上されたりします。

削減分から支払う型(初期費用0円)

設備の費用を事業者側が負担し、削減できた電気料金の範囲内から支払う形です。契約時点での持ち出しが0円になります。省エネの契約形態は、一般に、資金の調達を施設側が行う方式と事業者側が行う方式に大別されるとされており、この型は後者にあたります。契約期間中の支払総額、期間が終わったあとの設備の所有権、中途解約の条件を、契約書の条文で確かめておく必要があります。

契約 調査・設計 施工 運用期間(年々) 固定報酬型 負担するのは施設側 結果によらず支払い 成果報酬型 負担は事業者側に寄る 削減できた分に応じて支払い 削減分から支払う型 持ち出しは0円 支払いなし 下がった料金の範囲内から支払い ※ 帯の長さは支払いが発生する期間を表したもので、金額の大小ではありません

図2:同じ削減提案でも、支払いが発生する時点と、効果が届かなかったときの負担の所在が変わります。
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提案書を受け取ったら、この5つを確かめる

提案書は、削減額の総額ではなく「その額がどこから出ているか」を見ます。次の5つが書かれていれば、社内で検証できる提案です。

  • 削減額が基本料金と電力量料金に分かれているか。基本料金の削減は契約電力が下がることで決まり、使用量が増減しても動きません。電力量料金の削減は気温や稼働率で振れます。確からしさの違うものを合算した総額では、稟議に出す数字として検証できません。
  • 根拠が直近12か月の30分ごとのデマンドデータか。契約電力は直近12か月で最も高かった30分の実績で決まります。年間使用量の平均値から逆算した試算では、ピークがいつ・どの設備で出ているかまでは掴めません。
  • 施工を誰が行うか。提案した会社が自社で施工するのか、別の工事会社に発注するのか。高圧受電設備まわりの作業には電気工事士の資格が要ります。誰が資格を持ち、誰が現場に立つのかを提案の段階で確かめておきます。
  • 想定に届かなかったときの扱い。削減額が見込みを下回った場合、支払いはどうなるのか。制御の設定を見直す作業は費用に含まれるのか。ここが書かれていないと、あとから解釈が分かれます。
  • 導入後に実績を報告する仕組みがあるか。削減できた金額とCO2削減量を、導入後も定期的に数値で受け取れるか。省エネ法の報告や環境報告書に転記できる形かどうかも、あわせて確かめておくと後の手間が減ります。

導入前に確認しておきたいこと

もう一つ、契約前に決めておきたいのが責任の継ぎ目です。省エネの導入は、現地調査・設計と機器選定・施工・効果の検証という4つの段階を通ります。これを一社で通すのか、段階ごとに分担するのかで、効果が出なかったときに誰が原因を確かめるかが変わります。

現地調査 設計・機器選定 施工 効果の検証 一社で通す 原因の切り分けから手直しまで、窓口が一つ 段階ごとに分担 破線の位置が、責任の継ぎ目になります

図3:継ぎ目があること自体は問題ではありません。想定どおりに下がらなかったとき、どこの誰が確かめるのかを契約前に決めておくことが要点です。

もう一点、見積もりを依頼する前に手元で揃えておきたい資料が3つあります。直近12か月分の電気料金明細受変電設備の単線結線図空調機や冷凍機など主要設備の銘板情報です。この3点があると初回の提案の精度が上がり、複数社を比べるときも同じ前提で並べられます。明細だけでも、契約電力・使用量・力率という比較の土台は揃います。

当社は、電気工事士の資格を持つ自社スタッフが施工まで担当し、外部への委託を行いません。特許を取得した制御方式による導入実績は約3,500社・12,000施設、稼働実績は20年以上です。年間の削減額は施設の規模によって70万円から720万円、CO2排出量では年間数十トンの削減が目安になります。初期費用は0円で、下がった電気料金の範囲内からお支払いいただく形をとっています。

よくある質問

複数社に相見積もりを取るときは、何を揃えれば比べられますか?

直近12か月分の電気料金明細を同じ条件で渡し、削減額を基本料金と電力量料金に分けて記載してもらうよう依頼してください。前提が揃っていないと、総額の大小だけでは比較になりません。

診断だけを依頼して、施工は別の会社に出すことはできますか?

できます。ただし効果が想定に届かなかったときに、診断の前提と施工の内容のどちらに原因があるのかを、施設側で切り分ける必要が出てきます。分ける場合は、検証の担当を契約前に決めておくと安心です。

契約電力が50kW未満の施設でも相談できますか?

制御による基本料金の削減は、高圧で受電している契約電力50kW以上の施設で効果が出やすい仕組みです。それ以外の規模では、運用の見直しや設備の更新が中心の提案になります。

提案を受けてから導入までは、どのくらいかかりますか?

電気料金明細の確認から現地調査、施工までを含めて、施設の規模や工事の内容によって前後します。稼働を止められない施設では、工事の時期を調整する日数を見込んでおくのが確実です。

まとめ

省エネコンサルの選び方は、会社の評判を比べる作業ではなく、自施設の伸びしろがどこにあるかを掴んだうえで、その打ち手を扱える相手を選ぶ作業です。相談先の成り立ちで提案の中心が決まり、費用の受け取り方で負担の所在が決まります。

提案書では、削減額の総額ではなく、基本料金と電力量料金のどちらから出ているか、根拠が直近12か月の30分データか、施工は誰が行うか、届かなかったときどうなるか、導入後に数値の報告があるか。この5つで、社内で検証できる提案かどうかは判断できます。まずは電気料金明細を12か月分そろえるところから始めてみてください。

この記事を書いた人
株式会社Media Japan エネルギーソリューション担当
電気工事士資格を保有し、大規模施設への省エネシステムの導入から施工までを担当しています。記載の削減実績・目安額は、当社が実際に導入した施設のデータにもとづいています。個別の施設における削減額は、電気料金明細をもとに無料で試算いたします。
株式会社Media Japan/東京都豊島区東池袋1-25-6 PMO池袋2階
TEL 03-5985-5056 MAIL info@mediaj.jp
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