「BEMSとは」で検索すると、専門的な用語が並ぶ解説ばかりで、結局のところ何をどう役立てればよいのか掴みにくいと感じている方も多いのではないでしょうか。設備更新の検討や補助金申請の資料作成、社内会議の準備などで「BEMSを一言で説明してほしい」と求められ、慌てて調べているケースもよくあります。
この記事では、BEMSという言葉の意味と仕組みを整理したうえで、混同されやすい「デマンド制御」や、当社が提供する省エネシステムとの違いについても正面から解説します。BEMSは特定の会社の製品名ではなく、業界で使われる一般的な用語です。まずは言葉の輪郭をはっきりさせるところから始めましょう。
BEMSとは「Building Energy Management System」の略で、建物内の電力・空調・照明などのエネルギー使用状況を計測し、見える化した上で、必要に応じて自動的に制御する仕組み全体を指す一般名称です。特定のメーカーが販売する1つの製品を指す言葉ではなく、病院・工場・市役所・ホテル・介護施設・商業施設・物流センター・オフィスビルなど、さまざまな施設で使われている考え方の総称だと理解しておくと、記事や資料を読むときに混乱しません。
BEMSは、大きく分けて4つの要素で構成されています。まず電力量計やセンサーで使用量を「計測」し、そのデータをグラフやダッシュボードで「見える化」します。次に、どの時間帯・どの設備でエネルギーを多く使っているかを「分析」し、必要に応じて空調や照明のオン・オフや出力を自動で「制御」します。この4つの流れを理解しておくと、BEMSに関する他の記事や見積もりの内容も読み解きやすくなります。
BEMS単体が主に担うのは計測・見える化・記録の機能であり、実際に電気料金が下がるかどうかは、そのデータをどう使って運用ルールや制御を組むかにかかっています。「BEMSを入れれば自動で電気代が下がる」というイメージを持たれがちですが、これは正確ではありません。
たとえば、BEMSの画面で「午後に電力使用量が跳ね上がっている」と分かっても、その原因を特定し、空調の稼働スケジュールを見直したり、使用量が高くなる時間帯を抑える制御を別途組み込んだりしなければ、数字を眺めるだけで終わってしまいます。BEMSは判断材料を与えてくれる基盤であり、そこから先の「どう制御するか」の設計が、削減効果を左右する分かれ目になります。
BEMSは建物全体のエネルギーを見える化・管理する考え方全般を指す言葉で、デマンド制御はそのなかの一機能である「契約電力(基本料金の根拠)を抑えるための自動制御」を指します。当社が提供する省エネシステムは、このデマンド制御に特化し、特許を取得した制御方式で稼働する専用システムです。
BEMSという大きな枠のなかには、空調のスケジュール管理、照明の点灯制御、エネルギー使用量のレポート作成など、幅広い機能が含まれます。一方で当社の省エネシステムは、高圧電力で受電している大規模施設を対象に、契約電力を決める「直近12か月で最も高かった30分の使用電力」を自動的に抑えることに特化しています。建物全体のエネルギー管理を丸ごと構築するのではなく、電気料金の基本料金部分に絞って効果を出す設計です。そのため、BEMSをこれから広く整備したい施設と、まずは契約電力(基本料金)だけを効率よく抑えたい施設とでは、検討すべきシステムの範囲や費用感が異なります。この違いを理解しておくと、複数の見積もりを比較する際に「同じBEMSという言葉でも扱う範囲が違う」ことに気づけます。
資源エネルギー庁関連の資料等では、BEMS導入によるエネルギー削減効果は一般に10%程度とされています。ただしこれはあくまで一般的な目安であり、建物の設備構成や運用体制、既存設備の老朽化度合いによって変動する数値です。特定の削減率を保証するものではない点には注意してください。
削減の余地が大きいのは、多くの施設で電力使用量の比重が高い空調と給湯です。照明をすべて省エネ機器に切り替えても、施設全体の使用量に占める割合はそれほど大きくないため、削減効果を狙うなら空調・給湯まわりの制御が主戦場になります。BEMSで見える化した後、どこに手を打つかの優先順位づけにもこの点は役立ちます。
導入を検討する際は、「見える化だけで十分か、契約電力(基本料金)を下げたいのか」という目的の整理と、施工を誰が担当するのかの確認が特に重要です。
いいえ、同じではありません。BEMSは建物のエネルギー管理全般を指す一般用語で、当社の省エネシステムはそのなかのデマンド制御に特化した、特許を取得した専用システムです。両者の関係は本文でも整理していますので、あわせてご確認ください。
BEMS単体は見える化と記録が主な役割のため、それだけで電気代が自動的に下がるとは限りません。得られたデータをもとに、どのような制御を組み込むかによって効果が変わります。
BEMSは大規模施設だけのものではありませんが、契約電力(基本料金)の削減を目的とするなら、年間の電気料金規模に応じて検討すべきシステムの規模も変わります。高圧電力で受電している施設ほど、削減余地が大きくなる傾向があります。
当社の省エネシステムの場合、電気料金明細の確認から現地調査、施工までを含めて、一般的な目安として1〜2か月程度です。施設の規模や既存設備の状況によって前後します。
BEMSは、建物のエネルギー使用状況を見える化し、必要に応じて自動制御する仕組み全体を指す一般用語です。BEMSそのものが削減効果を保証するわけではなく、そこから先にどのような制御を組み込むかが重要になります。当社の省エネシステムは、BEMSという大きな枠のなかでも、契約電力(基本料金)を抑えるデマンド制御に特化し、特許を取得した制御方式で稼働する専用システムです。まずは電気料金の明細をもとに、どこにどれだけの削減余地があるかを確認することから始めてみてください。