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電力のCO2削減量の計算方法|報告書に書ける数字の出し方

2026/08/20
記事

環境報告書やサステナビリティレポートの提出時期になると、「CO2削減量」という欄が回ってきます。電力使用量のデータは手元にある。排出量の計算式も調べればすぐ出てくる。それでも削減量の欄だけが埋まらない——そういう状態でこのページにたどり着いた方が多いはずです。

理由ははっきりしています。排出量と削減量は別物だからです。排出量は1年分のデータがあれば出せますが、削減量には「何と比べたか」という基準年度が必要になり、計算がもう一段増えます。

この記事では、電力のCO2削減量を報告書に書ける形で出すまでを、計算式・使う排出係数・つまずきやすい落とし穴まで通しで説明します。年間の電気料金が2,000万円を超えるような大規模施設を想定していますが、考え方は規模を問わず同じです。

電力のCO2削減量は、2つの年度の排出量の差で求める

電力のCO2削減量は、基準となる年度の排出量から対象年度の排出量を引いて求めます。排出量そのものは「電力使用量(kWh)×排出係数(kg-CO2/kWh)」で計算します。つまり計算は2段構えで、いきなり削減量が出る式はありません。

  • 第1段階:年度ごとに、電力使用量に排出係数を掛けてCO2排出量を出す
  • 第2段階:基準年度の排出量から、対象年度の排出量を引く

電力使用量は、電気料金の明細に記載されている月ごとのkWhを12か月分合計すれば分かります。複数の契約や複数の施設がある場合は、それぞれ別に集計してから足し上げてください。単位はkWhに揃えます。明細がMWhやGJで書かれている場合は換算が必要です。

① まず、年度ごとの排出量を出す 電力使用量 (kWh) × 排出係数 (kg-CO2/kWh) CO2排出量 ② 2つの年度の差が、削減量になる 基準年度の 排出量 対象年度の 排出量 CO2削減量 ※ 削減量が直接出る式はありません。必ず①を2年度分そろえてから②に進みます

図1:削減量の計算は2段構えです。排出量を年度ごとに出してから、その差を取ります。

排出係数には「基礎」と「調整後」の2種類がある

排出係数には基礎排出係数と調整後排出係数の2種類があり、温対法にもとづく報告では、どちらの係数で計算した排出量も報告します。省エネ対策そのものの効果を社内で測る場合は、基礎排出係数を使うほうが実態に合います。

2つの違いは、環境価値を反映しているかどうかです。基礎排出係数は、発電の際に実際に排出したCO2量を販売電力量で割った数値です。調整後排出係数は、これに非化石証書などの環境価値を、制度で定められたルールにしたがって反映させたものです。同じ電力使用量でも、証書を調達すれば調整後の数値は下がりますが、発電所から出たCO2の量そのものが変わるわけではありません。

契約先の係数が分からないときは、公表されている代替値を使う

電気事業者ごとの排出係数は、環境省と資源エネルギー庁が毎年公表しています。公表は実績年度の翌年度の冬(おおむね1〜2月)にあたるため、報告書を早めに作る場合は、最新年度の係数がまだ出ていないこともあります。

契約先の係数が確認できない場合の扱いも決まっています。両省が示す算出・公表の通達では、令和6年度分の算定に用いる全国平均の代替値として、令和5年度実績である 0.000423 t-CO2/kWh が示されています。ここで自社の推計値を作らないことが大切です。公表されている値をそのまま使い、どの資料から取ったかを控えておいてください。

減った理由を3つに分けないと、報告書で説明できない

排出量が前年より減っていても、その全部が省エネの成果とは限りません。使用電力量が減ったのか、排出係数が下がったのか、施設の稼働そのものが減ったのか。この3つを分けて示せる形にしておく必要があります。

  • ① 使用電力量が減った:設備の更新や運用改善による、本来の意味での省エネ
  • ② 排出係数が下がった:電力会社の電源構成の変化、契約先の切り替え、環境価値の調達
  • ③ 稼働が減った:生産量の減少、休業日の増加、フロアの一部閉鎖など

②は電気の買い方を変えた成果であり、③は事業活動が縮んだ結果です。どちらも数字の上ではCO2が減りますが、「省エネの取り組みで何トン減らしたのか」を問われたときの答えにはなりません。合算した数字だけを載せると、あとで内訳を尋ねられたときに説明できなくなります。

分ける方法自体は難しくありません。排出係数を基準年度の値に固定したまま、両年度の使用電力量に掛けて計算し直せば、②の影響を除いた数字が出ます。さらに稼働時間や生産量といった施設の活動量あたりの使用電力量(原単位)で比べれば、③の影響も切り離せます。

前年より減ったCO2排出量 この中身は、3つの理由が混ざっている ① 使用電力量が減った 設備の更新・運用改善 = 省エネの成果 ② 排出係数が下がった 電源構成・契約先・証書 = 電気の買い方 ③ 稼働が減った 生産量・休業日・閉鎖 = 事業活動の増減 報告書で問われるのは①です。②③と混ざったままでは、内訳を説明できません。 ※ 排出係数を基準年度に固定して計算し直すと、①だけを取り出せます

図2:減った量を3つの理由に分けておくと、どんな聞かれ方をしても根拠を示せます。
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電気料金の明細をご用意いただければ、年間の削減見込み額とCO2削減量を算出してご提示します。ご相談だけでも歓迎です。

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報告書に載せる削減量には、必ず3つの情報を添える

削減量という数字は、それ単独では意味を持ちません。次の3点をセットで記録しておくと、社内の確認でも外部からの指摘でも、根拠をその場で示せます。

  • 基準年度:いつと比べたのか。中期目標の起点年度と前年度の両方を出しておくと、使い回しがききます
  • 使った排出係数:どの年度の、どの事業者の、基礎と調整後のどちらか
  • 対象範囲:施設単位か法人全体か。途中で対象施設が増減した場合は、その旨も残します

特に排出係数は年度ごとに更新されます。前年の報告書と同じ係数を使い続けると、翌年に数字のつじつまが合わなくなります。計算に使ったファイルには、係数の出典(公表資料の年度と表の名称)まで残しておいてください。担当者が代わったときに、いちばん困るのがここです。

導入前に確認しておきたいこと

削減量を報告する立場から見ると、省エネの仕組みを導入するときに確認しておくべき点は、削減額だけではありません。

  • 計測の粒度:施設全体の合計値しか取れないと、どの設備で減ったのかを説明できません。系統別や設備別にデータが取れるかを確認してください
  • 施工する人:受変電設備まわりの工事は有資格者の作業です。当社では電気工事士の資格を持つ自社スタッフが施工しますが、外部委託になる場合は、責任範囲がどこで切れるのかを先に確認しておくと安心です
  • 削減量の報告があるか:導入後にCO2削減量を数値で出してもらえるかどうか。当社では削減額とあわせて年間の削減量をご報告しており、大規模施設では年間数十トンが目安です
  • 費用の出方:初期費用0円で、削減できた電気料金の範囲内からお支払いいただく形であれば、稟議書で投資回収期間を計算する手間そのものが減ります
STEP 1 電気料金明細 の確認 STEP 2 現地調査と 削減額の試算 STEP 3 有資格者に よる施工 STEP 4 削減額とCO2 削減量の報告 ※ 初期費用0円のスキームでは、STEP 3までの費用負担が発生しません

図3:導入の流れ。報告書に使う削減量は、STEP 4で数値としてお渡しします。

よくある質問

削減量は、どの年度の排出係数で計算すればよいですか?

報告先の様式に指定があれば、それに従ってください。指定がない場合は、社内で省エネの効果を見るなら基準年度の係数に固定し、対外的な排出量の報告では各年度の係数を使う、という整理が分かりやすくなります。

電力会社を切り替えただけでも、削減量として報告できますか?

排出量としては減りますので記載できますが、省エネによる削減とは分けて書いてください。本文の②にあたるもので、内訳を分けずに合算すると、後から説明が難しくなります。

施設が複数あります。どの単位で計算すればよいですか?

まず施設ごと・契約ごとに計算し、それを合計します。契約している電力会社が施設によって違う場合は排出係数も施設ごとに変わるため、使用電力量を先に合算すると正しい数字になりません。

計測データが2〜3年分しかありません。基準年度にできますか?

手元にあるデータのうち最も古い年度を基準年度とし、その旨を明記すれば問題ありません。電気料金の明細は保管されていることが多いため、計測の仕組みが無かった期間についても、明細から使用電力量をさかのぼれます。

まとめ

電力のCO2削減量は、年度ごとの排出量を「電力使用量×排出係数」で出し、その差を取れば求められます。難しいのは計算そのものではなく、減った理由を分けて説明できる形に整えておくことです。基準年度・使った係数・対象範囲の3点を記録に残しておけば、翌年以降の作業もぐっと楽になります。

そして、報告書の数字を本当に動かすのは、計算方法ではなく実際の削減です。当社は約3,500社・12,000施設への導入実績があり、特許を取得した制御方式で使用電力量そのものを抑える仕組みです。施設の規模にもよりますが、年間の電気料金の削減額は70万円〜720万円、CO2削減量は年間数十トンの規模です。初期費用0円で導入でき、削減額とCO2削減量は数値でご報告します。電気料金の明細をお預かりできれば、見込み額を無料で試算いたします。

この記事を書いた人
株式会社Media Japan エネルギーソリューション担当
電気工事士資格を保有し、大規模施設への省エネシステムの導入から施工までを担当しています。記載の削減実績・目安額は、当社が実際に導入した施設のデータにもとづいています。個別の施設における削減額は、電気料金明細をもとに無料で試算いたします。
株式会社Media Japan/東京都豊島区東池袋1-25-6 PMO池袋2階
TEL 03-5985-5056 MAIL info@mediaj.jp
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