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契約電力の見直し方法|デマンド値を管理して基本料金を下げる

2026/08/07
記事

「契約電力を見直してコストを下げてほしい」——そう指示されて電力会社に問い合わせたところ、「契約変更には所定の手続きが必要です」という説明で終わってしまった。そんな経験をした施設管理の担当者は少なくないはずです。

契約電力の見直しを調べると、多くの解説は契約アンペアや契約種別を変更する手続きの話に終始します。しかし高圧受電の施設では、契約電力は電力会社に申告して決めるものではなく、実際の使用実績によって自動的に決まる数値です。手続きを調べても、肝心の「実績そのものをどう下げるか」にはたどり着けません。

この記事では、契約電力が決まる仕組みと、それを実質的に下げるための考え方を整理します。年間の電気料金が2,000万円以上(月およそ170万円以上)の規模を想定していますが、高圧受電(契約電力50kW以上)の施設であれば考え方は共通です。

契約電力の見直しで、まず誤解されやすいこと

「見直し」は契約変更ではなく、実績の引き下げ

契約電力を下げたいとき、多くの担当者がまず思い浮かべるのは電力会社への契約変更の申し出です。しかし高圧受電の契約電力は「実量制」と呼ばれる方式で決まっており、電力会社の窓口で数字を指定して変更できるものではありません。契約電力を下げるには、まず実際の使用実績(デマンド値)そのものを下げる必要があります。

契約電力は、直近12か月で最も高かった30分の実績で決まる

実量制では、30分ごとの平均使用電力(デマンド値)を計測し、直近12か月のうち最も高かった値が、そのまま向こう1年間の契約電力になります。真夏の午後にたった30分、空調と生産設備の負荷が重なっただけでも、その瞬間の値が1年間にわたって基本料金の根拠として残り続けます。年間のほかの時間帯をどれだけ節電しても、この一点が下がらない限り契約電力は動きません。

契約電力を下げすぎるリスクも押さえておく

契約電力を必要以上に低く設定すると、デマンド値がその水準を一瞬でも超えた際に超過料金が発生し、次の見直しを迫られることになります。一般に、安全な契約電力の目安は実績最高デマンド値の1.1〜1.2倍程度とされています。見直しは「下げられるだけ下げる」のではなく、ピークの実績を適正な位置まで抑えたうえで設定する作業です。

契約電力を下げると、なぜ基本料金が変わるのか

高圧受電の電気料金は、大きく「基本料金」と「電力量料金」の二つで構成されています。電力量料金は使った分だけ発生する従量部分ですが、基本料金は契約電力(kW)に単価を掛けて決まる固定部分です。電力会社やプランを見直しても動くのは主に電力量料金の単価であり、基本料金は契約電力を下げない限り原則として変わりません。

逆にいえば、直近12か月の最大デマンド値を1回でも下げることができれば、その水準が新しい契約電力として1年間適用され、基本料金がその分だけ下がる可能性があります。使用量そのものを我慢するのではなく、ピークになる30分をずらす、または抑えることが見直しの実質的な意味です。

デマンド値を管理する二つの方法

デマンド値の上昇を抑える方法は、大きく「手動」と「自動」の二つに分かれます。

手動での管理は、あらかじめ設定したデマンド値に近づいたときにアラートを受け取り、担当者が空調や生産設備の稼働を止めて調整する方法です。導入コストはかかりませんが、平日日中は人が張り付いて監視する必要があり、休日や夜間の突発的なピークには対応できません。

自動での管理は、専用システムが施設全体の使用電力を常時計測し、30分の平均値が目標に近づいたときだけ、複数ある空調室外機の圧縮機などを数分ずつ順番に休ませる方法です。1台あたりの停止時間は短く、同時に休ませるのも一部だけのため、送風は止まらず室温はほとんど動きません。設定した目標値に沿ってシステムが自動で判断するため、休日や夜間でも人を配置する必要がありません。

契約電力(=基本料金の根拠) この30分の山が、1年間の契約電力を決める 0時 6時 12時 18時 24時 使用電力 ※ 30分ごとの平均使用電力(デマンド値)のイメージです

図1:契約電力は申告制ではなく、直近12か月で最も高かった30分の平均使用電力で決まります。

当社が扱う制御方式は特許を取得しており、稼働実績は20年以上、これまでに約3,500社・12,000施設で稼働しています。

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電気料金の明細をご用意いただければ、年間の削減見込み額とCO2削減量を算出してご提示します。ご相談だけでも歓迎です。

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施設規模別の削減目安

どれくらい下がるのかは、年間の電気料金の規模からおおよその見当がつきます。当社がこれまでに導入した施設の実績にもとづく目安は次のとおりです。

施設 年間電気料金 削減額の目安 CO2削減量
介護施設・小規模病院 1,200万円前後 年 70〜120万円 約15〜25t
オフィスビル・市役所 2,000〜3,000万円 年 150〜300万円 約30〜60t
総合病院・ホテル 3,000〜5,000万円 年 250〜450万円 約50〜90t
工場・大型商業施設 5,000万円以上 年 400〜720万円 約80〜150t

実際の削減額は、設備の構成とデマンド値の出方によって変わるため、正確な数字は電気料金明細から個別に試算します。

STEP 1 電気料金明細 の確認 STEP 2 現地調査と 削減額の試算 STEP 3 有資格者に よる施工 STEP 4 削減額とCO2 削減量の報告 ※ 初期費用0円のスキームでは、STEP 3までの費用負担が発生しません

図2:見直しの流れ。試算は電気料金明細をお預かりした段階で提示します。

導入前に確認しておきたい四つのこと

契約電力を下げる提案を受けたときは、見積書の金額より先に次の四点を確認しておくと判断を誤りにくくなります。

  • デマンド値のどこを制御しているのか:空調をまとめて止めるのか、一部の機器を順番に休ませるのかで、室温や生産ラインへの影響が大きく変わります。制御の粒度を具体的に確認してください。
  • 誰が工事をするのか:受変電設備まわりの工事には電気工事士の資格が必要です。提案した会社が自社スタッフで施工するのか、外部に委託するのかを確認してください。当社は資格を持つ自社スタッフが施工します。
  • 初期費用の負担のしかた:設備投資として一括で支払う方式のほかに、初期費用0円で導入し、削減できた電気料金の範囲内から支払う方式もあります。予算措置が取りにくい年度でも動けるかどうかが変わります。
  • CO2削減量が数値で出るか:脱炭素目標の報告や自治体への提出資料で、削減量の記載を求められる場面が増えています。電気代の削減額だけでなく、CO2削減量まで数値で報告してもらえるかを確認してください。
見直し前 見直し後 この分が下がる 基本料金(契約電力で決まる) 電力量料金 ※ 削減幅は施設の設備構成と負荷の出方によって異なります

図3:デマンド値のピークを抑えて契約電力が下がると、使用量を我慢しなくても基本料金が下がります。

まとめ

契約電力の見直しは、電力会社との契約変更手続きの話ではありません。契約電力は直近12か月の最大デマンド値で決まるため、そのピークを管理できるかどうかが基本料金を動かせるかどうかを分けます。

まずは自施設の電気料金明細で、基本料金と電力量料金がそれぞれいくらなのか、そして契約電力が何kWになっているのかを確認するところから始めてください。

この記事を書いた人
株式会社Media Japan エネルギーソリューション担当
電気工事士資格を保有し、大規模施設への省エネシステムの導入から施工までを担当しています。記載の削減実績・目安額は、当社が実際に導入した施設のデータにもとづいています。個別の施設における削減額は、電気料金明細をもとに無料で試算いたします。
株式会社Media Japan/東京都豊島区東池袋1-25-6 PMO池袋2階
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