「ピークカット」と「ピークシフト」、どちらも電気代を下げる方法として名前が挙がるものの、実際に何が違うのか、自分の施設にはどちらが向いているのか、はっきり説明できる方は多くありません。見積もりを取る段階になって初めて、両者がまったく別の仕組みであることに気づくケースもあります。
結論から言うと、ピークカットは「電力の使い方そのものを見直して、ピーク時の使用量を減らす」方法で、ピークシフトは「使う電力の量は変えずに、使うタイミングをずらす」方法です。どちらも電気代の基本料金を左右する契約電力に効きますが、必要な設備も初期費用の規模も大きく異なります。
この記事では、年間電気料金2,000万円以上の高圧電力施設を運営する方に向けて、2つの手法の違いとコスト構造、どちらを検討すべきかの判断基準、そして当社が実際に提供できる範囲までをまとめて解説します。
ピークカットは電力の使用量そのものを減らす方法、ピークシフトは電力を使うタイミングを他の時間帯へ移す方法です。どちらも「1年のうちで最も電力を使った30分の実績」で決まる契約電力を抑えることを目指しますが、そこに至るアプローチが違います。
ピークカットは、空調・照明・生産設備などの稼働タイミングを専用システムで調整し、ピーク時間帯に電力を使いすぎないよう制御する方法です。使用する電力の総量そのものが減るため、契約電力だけでなく、使った分だけかかる電力量料金にも効果が及びます。
一方のピークシフトは、電気料金が安い夜間などに蓄電池へ電力を蓄え、電力需要が高まる時間帯にその電力を使う方法です。使用する電力の総量はほとんど変わらないため、主な効果は契約電力(基本料金)の抑制に限られます。
名前が似ているため混同されがちですが、電力会社との付き合い方という視点で見ると両者はまったく別の対策です。ピークカットは「使う量そのものを減らす」対策、ピークシフトは「使うタイミングを変える」対策と考えると整理しやすくなります。どちらか一方が優れているというより、施設の電力の使われ方によって向き不向きが分かれるものだととらえておくとよいでしょう。
ピークカットは既存設備の運転制御が中心のため初期費用を抑えやすく、ピークシフトは蓄電池という設備投資が土台になるため、まとまった初期費用が必要になりやすいという違いがあります。
ピークカットの多くは、新しい大型設備を設置するのではなく、既存の空調・照明・生産ラインなどの稼働タイミングを専用システムで調整する形で行われます。当社が提供している方式もこちらにあたり、特許を取得した制御方式で、削減できた電気料金の範囲内で費用をお支払いいただくスキームのため、初期費用は0円です。
ピークシフトは、電力を蓄えておく蓄電池という設備そのものが主役になります。蓄電池は容量が大きくなるほど本体費用も設置工事費用も増える傾向があり、施設の規模によっては一定容量を超えると消防法にもとづく届け出が必要になるケースもあります。導入までの検討期間や工事規模も、運転制御による方法より大きくなりやすい点は押さえておく必要があります。
ランニング面の違いにも目を向けておく必要があります。ピークカットは既存設備の稼働タイミングを調整するだけなので、大きな追加のメンテナンス費用が発生しにくい方法です。一方の蓄電池は経年による劣化が避けられないため、点検や将来的な機器交換といった維持費用も、初期費用とあわせて見込んでおく対象になります。
電力を継続的に多く使う施設は運転制御によるピークカットから検討し、ピークの出方が短時間かつ明確な施設は、必要に応じて蓄電池によるピークシフトを組み合わせる、という順番が現実的です。
運転制御によるピークカットで土台となる使用量を減らしたうえで、なお残るピークに対して蓄電池を足す、という段階的な組み合わせ方が現実的です。
いきなり大きな設備投資をするのではなく、まず運転制御でどこまで契約電力を抑えられるかを確認し、それでも残るピークに対して蓄電池の導入を検討する、という順番であれば、投資の規模を必要な分だけに抑えやすくなります。当社が提供しているのは運転制御によるピークカットの範囲であり、蓄電池を用いたピークシフトについては、施設の状況に応じて専門の事業者と連携する形での検討をご案内しています。
どちらの方法を選ぶ場合も、まず直近1年分の電気料金明細を用意し、実際の使用電力がいつ、どれくらいの高さでピークを迎えているかを確認することが出発点になります。ピークが1日のうちの短時間に集中しているのか、日中を通じて高い状態が続いているのかによって、向いている方法が変わってきます。
また、施工を依頼する事業者が電気工事士の資格を持つ自社スタッフによって施工を行っているか、外部業者への委託が発生しないかも、確認しておきたいポイントです。委託が挟まると、工事内容の把握や不具合が起きた際の対応窓口が分かりにくくなることがあります。
施設の電力使用パターンによって異なるため、一概にはいえません。日中を通して電力を多く使う施設では運転制御によるピークカットの効果が出やすく、短時間に集中するピークがある施設ではピークシフトを組み合わせることで効果が高まる場合があります。
一般的には蓄電池を用いる方法が主流です。夜間などの電力を蓄え、ピーク時間帯に放電する仕組みが基本になります。
運転制御によるピークカットは、既存の空調・照明・生産設備などの稼働タイミングを専用システムで調整する方法が中心のため、大掛かりな設備投資を伴わずに始められる場合があります。当社の場合は、削減できた電気料金の範囲内で費用をお支払いいただくスキームのため、初期費用は0円でご案内しています。
可能です。ただし蓄電池の導入は初期投資の規模が運転制御とは異なるため、まず運転制御によるピークカットで効果を確認してから、必要に応じてピークシフトの導入を検討するケースが多くなっています。
ピークカットは電力の使用量そのものを減らす方法、ピークシフトは電力を使うタイミングを移す方法です。初期費用を抑えて始めやすいのは運転制御によるピークカットで、蓄電池を使うピークシフトはまとまった設備投資が前提になります。まずは電気料金明細をもとに自施設のピークの出方を確認し、どちらの方法が合っているかを見極めることから始めてください。