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初期費用0円で省エネを始める仕組み|大規模施設の担当者向け

2026/08/25
記事

「設備投資の予算は取れない。それでも電気代は下げてほしい」——大規模施設のエネルギー担当者から、いちばん多く聞くのがこの板挟みです。

そこで「初期費用0円」という言葉に行き当たるわけですが、検索して出てくるのは太陽光発電の記事ばかりです。屋上に空調の室外機がびっしり並んでいる施設や、建物を借りている施設の担当者には、そのまま当てはまりません。そもそも「なぜ0円で始められるのか」「その代わりに何を払うのか」が分からないままでは、稟議に上げようがないというのが実際のところだと思います。

この記事では、初期費用0円で省エネを始める仕組みを、支払いの原資・設備の所有権・契約が終わったあとの扱いという3点から整理します。あわせて、契約書に目を通すときに必ず確認しておきたい条項も挙げます。太陽光に限らない話としてお読みください。

初期費用0円は「無料」ではなく、支払う原資と時点を入れ替えた仕組み

初期費用0円と呼ばれる仕組みは、費用が消えてなくなるものではありません。事業者が設備の費用をいったん負担し、施設側は導入後に発生する電気料金の削減分やリース料という形で、時間をかけて支払っていく形に置き換えたものです。

ですから、確認すべきは「本当に無料なのか」ではありません。何を原資に、いつから、いくら払うのか——ここが方式ごとにまったく違い、その施設に向くかどうかもここで決まります。

初期費用0円の型は、大きく3つに分かれる

  • リース型:省エネ設備を借りて、毎月定額のリース料を払います。削減できた金額とは無関係に支払額が決まるため、削減が想定を下回っても支払いは変わりません。
  • 電力購入型:事業者が施設の屋根や敷地に発電設備を設置し、そこで発電した電気を施設側が買います。屋根や日射の条件が前提になる方式です。
  • 削減分から支払う型:省エネの設備や制御を導入し、それによって削減できた電気料金の範囲内から支払います。支払いが削減額に連動するのが、ほかの2つとの決定的な違いです。
リース型 電力購入型 削減分から支払う型 支払いの原資 毎月の定額リース料 買った電気の料金 削減できた電気料金 の範囲内 屋根・日射の条件 不要 必要 不要 削減が想定を 下回ったとき 支払いは変わらない 発電量に応じて変わる 支払いも同じだけ 小さくなる ※ 同じ呼び方でも契約内容は事業者ごとに異なります。契約書での確認が必要です

図1:同じ「初期費用0円」でも、支払いの原資と、削減が出なかったときに誰が負担するかが方式ごとに違います。

屋根に太陽光を載せられない施設には、どの型が残るか

屋根や日射の条件に左右されないのは、リース型と、削減できた電気料金の中から支払う型の2つです。電力購入型は発電設備を置ける場所が前提になるため、そこで候補から外れる施設が少なくありません。

実際、総合病院や工場、物流センターの屋上は、空調の室外機・受変電設備・搬送設備などですでに埋まっていることが多く、必要な面積が残りません。建物を借りている施設では、そもそも屋根の使用権が施設側にないこともあります。屋上に載せられる重さの制限や、周囲の建物による日陰も条件になります。

もうひとつ見落とされがちなのが、契約の長さです。太陽光の電力購入契約は一般に15〜20年とされており、建て替えや用途変更の予定がある施設では組みにくくなります。設備を置かずに使い方の側を変える方式であれば、この長さの制約は小さくなります。

「削減分から支払う型」は、実際どう支払うのか

支払いは削減が出てから始まり、削減できた電気料金の範囲内に収まる設計です。導入の時点でまとまった支出は発生しません。

当社が提供しているのはこの型です。特許を取得した制御方式で施設の使用電力のピークを抑え、初期費用0円で導入いただき、削減できた電気料金の範囲内でお支払いいただきます。年間の電気代の削減実績は、施設の規模に応じて70万円〜720万円です。あわせてCO2排出量も年間で数十トン単位の削減になり、その数値を報告書の形でお出ししています。

ただし、削減の幅は施設の設備構成と負荷の出方によって変わります。金額をお約束するものではなく、電気料金の明細をお預かりして試算したうえで、見込み額をご提示するという進め方になります。

導入前 導入後 この分が 削減できた分 施設に残る削減分 事業者への支払い(削減できた分の中から) 電気料金 ※ 棒の高さと分け方はイメージです。削減幅も支払いの割合も施設ごとに異なります

図2:支払いの原資は削減できた分の中にあります。導入前の支出額を超える負担が新たに生じないという設計です。
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電気料金の明細をご用意いただければ、年間の削減見込み額とCO2削減量を算出してご提示します。ご相談だけでも歓迎です。

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契約書で確認しておきたい5つの条項

いちばん重要なのは「何をもって削減できたと数えるか」という基準(ベースライン)の定義です。ここが曖昧なままだと、支払額の根拠が後から食い違います。

  • ベースラインの定め方:前年同月の電気料金と比べるのか、気温や稼働率で補正した値と比べるのか。猛暑の年や稼働率が上がった年に、補正の有無で支払額が変わります。計算式が契約書に書かれているかを見てください。
  • 契約期間と中途解約:省エネ改修を対象とした契約は一般に9〜15年程度とされています。建て替えや売却の予定と照らし、中途解約時の違約金がどう算定されるかまで確認します。
  • 設備の所有権:契約期間中は事業者の所有で、満了後に無償で譲り受けるのか、撤去されるのか。譲り受ける場合、その後の保守や更新は施設側の負担になります。
  • 故障時の対応:期間中の点検・修理を誰が負担するのか。設備が止まっている間の削減はどう扱うのか。
  • 会計上の扱い:資産に計上する必要があるかどうかは契約形態によって判断が分かれます。稟議に上げる前に、経理部門や顧問の会計事務所へ契約書の写しを回して確認しておくと、後戻りがありません。
署名する前に、この5つが書かれているかを見る ベースラインの定め方 何と比べて「削減できた」と数えるか 契約期間と中途解約 建て替え・売却の予定と照らす 設備の所有権 満了後に譲り受けるのか、撤去か 故障時の対応 点検・修理は誰の負担か 会計上の扱い 資産計上の要否を経理部門と確認 この5つのうち、支払額に直接効くのはいちばん上のベースラインです

図3:稟議に上げる前の確認事項。ベースラインの定義が曖昧なままだと、支払額の根拠が後から食い違います。

導入前に確認しておきたいこと

施工を誰が行うかは、契約前に確認しておきたい点です。受変電設備や制御盤に触れる工事は、電気工事士の資格を持つ担当者でなければ行えません。

提案する会社と、実際に現場へ入る会社が別だと、施工の品質と工期がその外注先の状況に左右されます。当社は電気工事士資格を持つ自社スタッフが施工まで担当し、外部委託していません。約3,500社・12,000施設への導入と、20年以上の稼働実績があります。

もうひとつ、削減できた量を数値で報告してもらえるかも確認しておきたい点です。電気料金の削減額とCO2の削減量を毎回の報告で受け取れれば、社内への説明資料や、サステナビリティ報告の元データとしてそのまま使えます。

よくある質問

初期費用0円だと、自分で設備を買う場合より総額は高くなりますか?

事業者が費用を立て替える分、総額では自己資金で購入する場合より大きくなるのが一般的です。その代わり、予算措置を待たずに始められ、支払いは削減できた分の中から行う形になります。どちらが有利かは、投資予算の確保しやすさと社内の意思決定にかかる時間で判断が分かれます。

どれくらいの規模の施設が対象になりますか?

年間の電気料金が2,000万円以上、月にしておよそ170万円以上の施設が中心です。高圧電力で受電している契約電力50kW以上の施設であれば、まず試算をご覧いただく価値があります。

補助金と併用できますか?

制度によって併用の可否が異なります。補助対象となる設備の要件や、所有権が事業者にある場合の扱いが制度ごとに定められているため、公募要領の該当箇所を事前にご確認ください。ご相談いただければ、こちらでも要件を照らし合わせます。

営業を止めずに工事はできますか?

多くの工事は施設の稼働を止めずに進められますが、受変電設備の切り替えなど一部の作業では停電を伴う場合があります。現地調査の段階で、停電を伴う作業の有無と所要時間をお伝えします。

まとめ

初期費用0円の仕組みは、費用が無くなるものではなく、支払う原資と時点を入れ替えたものです。リース型・電力購入型・削減分から支払う型のどれを選べるかは、屋根の条件と、削減が想定を下回ったときに誰が負担するかで決まります。

屋上に余地がない施設や、建物を借りている施設では、設備を置かずに使い方の側を変える方式が現実的な選択肢になります。検討に入る前に、ベースラインの定義・契約期間・所有権の3点だけでも契約書で確かめておくと、稟議での質問に答えやすくなります。

お使いの施設でいくら下がるかは、電気料金の明細があれば試算できます。数字を見てから判断していただくのがいちばん確実です。

この記事を書いた人
株式会社Media Japan エネルギーソリューション担当
電気工事士資格を保有し、大規模施設への省エネシステムの導入から施工までを担当しています。記載の削減実績・目安額は、当社が実際に導入した施設のデータにもとづいています。個別の施設における削減額は、電気料金明細をもとに無料で試算いたします。
株式会社Media Japan/東京都豊島区東池袋1-25-6 PMO池袋2階
TEL 03-5985-5056 MAIL info@mediaj.jp
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